膝痛の原因は「膝」ではなかった?
- 聡範 藤原

- 22 時間前
- 読了時間: 5分

——見落とされがちな“骨盤の動き”と膝痛の深い関係——
「最近、歩き始めが痛い…」「しゃがむ時に膝がズキッとする…」「階段がつらい」
そんな膝の悩みを抱えている方はとても多いです。
特に50代を過ぎたあたりから、膝の痛みを感じる女性は一気に増えてきます。
ですが、実はあなたが痛みを感じている “膝そのもの” が悪いとは限りません。
多くの場合、「膝ではなく、骨盤の動きが悪いこと」が痛みの本当の原因になっています。
一見すると膝と骨盤は離れた場所に見えますが、身体はパーツごとに独立して動いているわけではありません。
ひとつが固まると、負担は必ずどこかに跳ね返ってくる
——その典型例が 「骨盤の不動 → 膝の故障」 なんです。
今回は、膝が痛くなる本当の理由と、あなたが“今からできる改善方法”を専門家の視点から丁寧にまとめていきます。
安心して、ゆっくり読み進めてください🌿
■ そもそも「骨盤が動かない」とはどういう状態?
骨盤が動かないというのは、
◾️前後に傾ける動きが小さい
◾️左右にスライドしない
◾️股関節のはまりが悪くなる
◾️腰や背中が固まり“代わりに動く場所がなくなる”
こうした状態のことを指します。
本来、骨盤は歩く・立つ・しゃがむなど、日常のあらゆる動作の“起点”となる部分です。
身体の土台である骨盤が動かなくなると、本来なら骨盤が吸収するはずの衝撃やねじれが、そのまま 膝へダイレクトに流れ込んでしまう のです。
その結果、
・膝の内側が痛む
・階段の降りが怖い
・膝の曲げ伸ばしがスムーズにいかない
・立ち上がりでグキッとくる
といった症状につながります。
■ なぜ骨盤が動かなくなるのか?よくある3つの原因
膝痛のある方に共通しているのは、骨盤周りの筋肉がガチガチに固まっているという点です。
特に多い原因は次の3つ。
① 長時間の座り姿勢
デスクワーク、車の運転、家事…座る時間が長いと、骨盤は後ろに倒れやすくなり、股関節は動かなくなります。
② 運動不足による筋力低下
骨盤には身体を支える“インナーマッスル”が多くあります。
ここが弱くなると、骨盤が正しく動かなくなり、膝が代わりにねじれていきます。
③ 呼吸が浅く、背骨が硬い
胸が開かず呼吸が浅い人は、背骨が動かず骨盤の動きも連動して悪化します。
特に女性に多い特徴です。
これらの原因が積み重なると、膝は「本来の仕事ではない動き」をさせられ続ける状態 になります。
膝は本来、“前後に曲げ伸ばしするだけの関節”。
しかし、骨盤が動かないと…
☑ 本来必要ない「ねじれ」
☑ 余計な「横の動き」
☑ 歩くたびに加わる「衝撃吸収の負担」
こうした余計な動作を全て請け負うことになります。
こうして膝は限界を迎え、痛みという形であなたにSOSを出すのです。
■ 膝が痛い人の約8割に見られる“共通の姿勢”
膝痛の方の多くに共通する姿勢があります。
それは…
骨盤が後傾し、背中が丸くなり、太もも前に力が入りやすい姿勢。
この姿勢だと、膝が常に前へ押し出され、歩くたびに膝への負担が蓄積します。
実際、スタジオでも、膝痛を訴える方の多くが
「膝よりも骨盤周りをほぐすだけで痛みが軽減する」
というケースが非常に多い。
これは膝自体に問題があるのではなく、骨盤の位置と動きが整うことで、膝への負担が正常化するということを意味します。
■ 膝痛が改善しやすい人と改善しにくい人の違い
膝痛は“膝を触るだけでは治らない”ケースがほとんどです。
逆に言えば、骨盤が動けば痛みは引いていきます。
▶ 改善しやすい人
◾️骨盤の動きを意識できる
◾️股関節を柔らかくすることを続けられる
◾️呼吸の改善にも取り組む
◾️「変わりたい」という意思がある
▶ 改善しにくい人
◾️膝だけを気にしてしまう
◾️骨盤や背骨を動かす習慣がない
◾️座り姿勢のクセを変えない
◾️「歳だから仕方ない」と諦めてしまう
もちろん、どちらも悪いわけではありません。
ただ一つだけ言えるのは、膝より先に骨盤を整えた方が効率が良いという事実。
膝をマッサージして良くならない理由は、膝“だけ”を見てしまっているからなんです。
■ 今日からできる!膝痛を減らす“骨盤の動かし方”
ここからは、あなたが自宅で今日からできる改善方法を紹介します。
どれも簡単で、効果が出やすいものを厳選しています。
① 骨盤前後ゆらし(1日30秒)
椅子に浅く座って
・骨盤を前に倒す(腰を軽く反る)
・骨盤を後ろに倒す(背中を丸める)
これをゆっくり10回。
ポイント:
◾️腰ではなく“骨盤そのもの”を動かすイメージで
◾️呼吸は止めない
② 股関節ほぐし(内回し・外回し)
太ももの付け根に手を当て、小さな円を描くように股関節を回す。
ポイント:
◾️膝を動かすのではなく“股関節を主役”に
◾️痛気持ちいい範囲でOK
③ 呼吸リセット(胸を開く練習)
仰向けで手を胸に当て、息を吸うときに“胸がふわっと広がる”感覚を作る。
ポイント:
◾️お腹ではなく胸を広げる
◾️息を吐くと背中と骨盤がゆるむ感覚を作る
呼吸が整うと、背骨の動きが良くなり、それが骨盤の動き改善につながります。
■ 最後に──膝を諦めないでほしい
膝は年齢とともに痛くなるもの。
そう思っていませんか?
でも膝痛の多くは、骨盤の動きが戻れば改善できる痛みです。
あなたが悪いわけでも、歳のせいでもありません。
ただ“原因を知らなかっただけ”。
どんな身体でも、気づいた瞬間から変わっていけます。
そして膝が軽くなると、毎日の散歩が楽しくなり、階段も怖くなくなり、「もっと動きたい」という気持ちが自然と湧いてきます。
あなたの膝は、もっと楽になります。そのための第一歩が 骨盤を動かすこと です。
もし自分では難しい、もっと詳しく知りたいという方は、専門家に頼ることも大切です。
膝ばかり気にして疲れてしまった方へ。
痛みの原因を正しく知り、これから先も“自分の足で歩き続けられる身体”を一緒に作っていきましょう。



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