その背骨、本当に大丈夫?
- 聡範 藤原

- 3 日前
- 読了時間: 4分
膝の痛みは「真っ直ぐすぎる背骨」から始まっているかもしれません

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「姿勢はまっすぐが良い」「背筋を伸ばしなさい」
私たちはずっと、そう教えられてきました。
でももし、その“まっすぐ”が原因で、膝に負担をかけているとしたら?
最近、膝の痛みを感じている方の身体を見ていると、ある共通点が見えてきます。
それは背骨が“真っ直ぐになりすぎている”こと。
今回は
◾️ 背骨が真っ直ぐすぎると何が起きるのか
◾️ それがなぜ膝痛につながるのか
◾️ 将来も安心して歩ける身体なのか
◾️ 自分で確認できるチェック方法
を、違う角度からお伝えします。
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背骨は「真っ直ぐ」より「しなやか」が大事
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背骨は、本来
◾️ 前後にカーブし
◾️ ねじれ
◾️ しなり
ながら動く構造をしています。
首・背中・腰にある自然なカーブ(S字)は、身体にかかる衝撃を逃がすためのクッション。
ところが、
・胸を張りすぎる・腰を反らしすぎる・常に姿勢を固めている
こうした状態が続くと、背骨のカーブは失われ、棒のように“真っ直ぐで動かない背骨” になっていきます。
一見、姿勢が良さそうに見えても、実はこれ、かなり危険な状態です。
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背骨が真っ直ぐだと、なぜ膝が痛くなるのか
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背骨の役割は「支える」だけではありません。
衝撃を分散すること。
歩くたび立ち上がるたび階段を降りるたび
本来なら背骨 → 骨盤 → 股関節と衝撃が分散されます。
でも、背骨が真っ直ぐで動かないと…
☑ 衝撃を吸収できない
☑ 体重移動がスムーズにいかない
☑ 下半身に一気に負担が流れる
その結果、膝がクッション代わりに使われてしまう のです。
膝は「前後に曲げ伸ばしする関節」。
そこにねじれ突き上げ横ブレが加われば、痛みが出るのは当然です。
膝は悪くありません。無理をさせられているだけ なのです。
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膝が痛い人に多い「まっすぐ過ぎる姿勢」
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膝痛の方を横から見ると、こんな特徴がよく見られます。
◾️ 胸が張りすぎている
◾️ 腰が反っている
◾️ お腹に力が入りすぎている
◾️ 動きがカクカクしている
これは背骨を“止めて”安定しようとしている姿勢。
一時的には楽でも、長期的には確実に膝を消耗させます。
「姿勢は良いはずなのに、膝が痛い」
そう感じている方は、このパターンに当てはまっている可能性が高いです。
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【セルフチェック】背骨、固めすぎていませんか?
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今の状態を確認してみましょう。
チェック① 立位ゆらしチェック
1️⃣ 立ったまま、体を軽く前後に揺らす
2️⃣ 背骨が“しなる感覚”があるか
☑ 上半身が一塊で動く
☑ 腰だけ動く
☑ 動きがぎこちない
→ 背骨が固まり、真っ直ぐになりすぎています。
チェック② 歩行チェック
歩いているとき…
☑ 上半身がほとんど動かない
☑ 足音が大きい
☑ 地面からの衝撃を強く感じる
→ 背骨が衝撃を逃がせていません。
チェック③ 自分に問いかけてみてください
「今の身体のままで、10年後も普通に歩けていると自信を持って言えますか?」
少しでも不安がよぎったなら、それは身体からの大事なサインです。
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将来も大丈夫と言える身体とは
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将来に不安がない身体とは、
◾️ 痛みがないではなく
◾️ 負担を分散できる
身体のこと。
背骨がしなやかに動き力を逃がし下半身を守ってくれる状態。
これが整うと、
・膝の負担が減る
・歩くのが楽になる
・疲れにくくなる
そして何より「この身体なら大丈夫」という安心感が生まれます。
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背骨を「正す」のではなく「動かす」
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大切なのは背骨をまっすぐにすることではありません。
背骨を動かせる状態に戻すこと。
ほんの少し
・緩める
・揺らす
・呼吸を通す
それだけで、身体の使い方は変わります。
膝も、本来の仕事に戻ることができます。
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最後に
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膝の痛みは、「ここだけ見て」というサインではありません。
「身体全体を見直して」というメッセージです。
背骨が真っ直ぐになりすぎていないか。固めて安心しようとしていないか。
そして今の身体で、将来も大丈夫だと胸を張って言えるか。
もし少しでも引っかかるなら、今が見直すタイミングです。
膝の未来は、背骨の使い方から変えられます。



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