胸椎が硬くなると、なぜ不調が出やすくなるのか
- 聡範 藤原

- 4 時間前
- 読了時間: 3分
― 首・肩・腰の不調と「背中の動き」の意外な関係 ―
「肩がこる」「首が張る」「腰が重たい」「呼吸が浅い気がする」
こうした不調があると、多くの方は 痛みを感じている場所そのもの に原因があると思いがちです。
ですが実際には、胸椎(背中の中央あたりの背骨)の硬さ が、不調の引き金になっているケースも少なくありません。
胸椎は、首と腰の“つなぎ役”
背骨は、首(頸椎)背中(胸椎)腰(腰椎)という3つのエリアに分かれています。
その中で胸椎は、首と腰の間に位置し、身体をひねる・衝撃を分散する・呼吸を助けるといった、とても重要な役割を担っています。
胸椎がスムーズに動くことで、首や腰は無理なく働くことができます。
逆に、胸椎の動きが少なくなると、その分の動きを 首や腰が代わりに引き受ける 状態になります。
これが続くと、首こり・肩こり・腰の張りといった不調が出やすくなってしまいます。
なぜ胸椎は硬くなりやすいのか
胸椎が硬くなる原因は、特別なことではなく、とても日常的な習慣 にあります。
・長時間のデスクワーク
・スマホを見る姿勢
・前かがみの姿勢が多い
・同じ姿勢が続く生活
これらの生活では、胸椎はほとんど動かされません。
動かされない状態が続くと、身体は「ここは動かさなくていい」と判断し、少しずつ動きの幅を小さくしていきます。
さらに、「姿勢を良くしよう」と胸を張って肩甲骨を寄せる意識が強すぎると、胸椎を固定してしまい、かえって動きを制限してしまうこともあります。
胸椎が硬くなると起こりやすい変化
胸椎の動きが少なくなると、身体には次のような変化が起こりやすくなります。
・首や肩に力が入りやすい
・腰が常に張っている感じがする
・身体をひねりにくい
・呼吸が浅く感じる
・姿勢を意識すると疲れる
これらは、身体がうまく連動して動けていないサインです。
図で見る「胸椎が硬い状態」

図で見ると分かりやすいように、胸椎の動きが少なくなると、首や腰に負担が集中しやすくなります。
胸椎が動かない分、首を過剰に反らせたり、腰を反って支えたりすることで、不調が出やすい状態がつくられてしまいます。
大切なのは「固める」ことではなく「動けること」
胸椎を含む背骨は、固めて支えるための構造ではありません。
必要なところが、必要な分だけ動けることこれが、身体にとって自然で楽な状態です。
胸椎の動きが整うと、首や腰が無理に頑張らなくて済み、動きやすさや呼吸のしやすさを感じる方も少なくありません。
もし、こんな感覚があれば
・肩や首をよく回したくなる
・つい胸を張ってしまっている
・深呼吸が浅いと感じる
・どこが悪いか分からない不調が続いている
こうした感覚がある場合、胸椎の動きが関係している可能性があります。
最後に
不調があると、どうしても「痛い場所」だけに目が向きがちです。
ですが、その背景に胸椎の硬さがある場合、肩や腰だけをケアしても、なかなかスッキリしないことがあります。
胸椎は、首と腰を守るための大切なクッションです。
もし今、不調が続いている、姿勢を意識すると疲れる、そんな状態であれば、一度「背中の動き」に目を向けてみてください。



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